
たまには、遺言についてふと考えてみる。
日本で死ぬ人のうち、遺言書をまともに残しているのは10%にも満たないという。60代や70代の諸氏に限っても、わずか3.5%。みんな、自分が死んだ後のことには驚くほど無頓着か、あるいは「なんとかなるわい」と高を括っているらしい。
イギリスの「たしなみ」とアメリカの「デジタル遺言」
ところが海を越えると、話はがらりと変わる。
特にイギリス。あちらでは、遺言を書くのは「紳士のたしなみ」なのだそうだ。30代の若者が、パブでフィッシュアンドチップスをつまみ、定番のエール「ロンドンプライド」を飲みながら相続話に花を咲かせる。そして「自分が死んだらこのレコードは誰に」なんてサラッと書き残す。家族に余計な苦労をさせないのがクールだというわけだ。
アメリカにいたっては、もっと切実である。遺言がないと裁判所がしゃしゃり出てきて、遺産をガチガチに管理してしまう。そんな面倒を避けるために、みんなスマホでサクッと「電子遺言」を作る。死の準備さえデジタル化されているのだ。
日本にもやってくる?遺言をカジュアルに交わす時代
昔から、アメリカで流行ったものは10年遅れで日本にやってくると決まっている。そのうち日本でも、コンビニで弁当を買うくらいの気軽さで、遺言がやり取りされる時代が来るのだろう。まあ、日本の法律では、15歳にもなれば、親の許しがなくともひとりで遺言は書ける。中学生が「僕の全財産は、ダンス部の美緒ちゃんに」と書き残してもいい。いずれにせよ、死んだ後の始末をつけておくのは、案外、粋なものかもしれない。
最後に「よしなに」と笑って旅立つために
さて、そんなわけで昨今、死んでから家族が「印鑑証明が足りない」だの「あの土地は誰のものだ」だのと、揉めるのは、どうにも無粋というものです。
もし、枕元に書きかけの遺言書を置きたくなったら。
あるいは、何から手をつければいいか分からず、途方に暮れてしまったら。
その時は、私を呼んでください。ご遺族に寄り添い、あなたの「人生の締めくくり」をお手伝いします。
それが、私の仕事ですから。