「師」と「士(サムライ)」の深層、そして頼れる街の法律家へ──行政書士のリアルな立ち位置

「真の正義とは何か」かつて侍ふものだった男の優しさが際立つ
(出典:Wikimedia Commons “Kinema Jumpo”, Special April 1961 issue. 『用心棒』Public domain)

このところ、仕事柄、頭の硬い部分ばかりを使うことが多いため、このブログでは、のびのびと「息抜き」をさせていただいています。ですから、今宵も思いついたことを、そこはかとなく書きまくります。どうかご用心ください。

さて、私たちが日常的に使っている「〇〇し」という資格の言葉ですが、実はこれには「師」と「士(サムライ)」という、漢字に隠された目に見えない職能のドラマが存在します。今回は、この二つの文字が持つ意味と、私たち行政書士のリアルな立ち位置についてから始めます。

「命を救う先生」と「戦うサムライ」の境界線

漢字の成り立ちを紐解きますと、この二つには明確な役割の違いがあります。
「師」は、もともと軍隊を率いるリーダー。転じて「人々を教え導く、最高位の指導者・先生」を意味します。
「士」は、武器を持って戦う「サムライ」。つまり、特定の専門スキルを武器に自立する「実務家」です。

医療界を見ると、この意味合いは実にしっくりきます。
頂点に君臨するのは、命の方向性を導く「医師(師)」。その周辺で、具体的な医療実務という名の武器を持って支えるのが、理学療法士や作業療法士といった「〇〇士」の方々です。

余談ですが、私たちの髪型を素敵に整えてくださる「美容師」さんも「師」の文字を冠しています。
サロンの鏡の前で、ハサミを操る彼らを「先生!」と呼ぶ文化がありますが、あれは日頃「自分のビジュアルの正解」を見失い、迷える子羊となった私たちを、美の境地へと教え導いてくれる「指導者」だと考えれば、漢字のジャンルとしては大正解。私たちは安心して身を委ねられるわけです。

一方、法律や経済の業界(法曹界・士業界)に行くと、今度は「士(サムライ)」こそが最高峰のブランドとなります。その筆頭が、ご存知「弁護士」です。明治時代、法律という名の刀を引っ提げて市民のために戦った、元・本物のサムライたちが創り上げた世界だからです。

なぜ日本の弁護士は「アメリカのように増えない」のか?

そんな法律界のトップである弁護士ですが、実は日本ではその数が国や業界によって厳しく「制限」されてきた歴史があります。
2000年代、日本もアメリカを見習って「法科大学院(ロースクール)」をたくさん作り、弁護士を大量生産しようと試みた時期がありました。誰もが気軽に訴訟を起こせる社会を目指したのです。
しかし、この計画は急ブレーキがかかることになります。理由は、日本人がアメリカほど「何でも裁判で白黒つけたい民族」ではなかったこと。そして、増えすぎた弁護士が「食えないサムライ」となって巷に溢れ、業界のロイヤリティや信頼性が崩壊することを防ぐという、業界内の強い引き止めがあったからです。
結果として、日本の司法はあえて弁護士の数を「制限」することで、その高い敷居と、お高い費用(笑)を今なおキープすることになりました。

【イートスの豆知識】実際、数字を見ると笑えないほどの格差があります。アメリカの弁護士数が約133万人(住民1万人あたり約39人)なのは訴訟大国ゆえとしても、ドイツ約17万人(住民1万人あたり 約19.9人)やフランス約7万5,000人(住民1万人あたり 約10.8人)と比べても、我が日本の約4万5,000人(1万人あたりわずか3.6人)という数字は、先進国の中で桁違いに少ないのです。ドイツやフランスでは弁護士が多いため、費用も国がコントロールして『市民の身近なインフラ』になっていますが、日本は数を徹底的に絞ることで、弁護士の平均事業収入約2,558万円という『高いステイタスと報酬』をしっかり守り抜いたわけです。

「高嶺の花」の裏で、行政書士が愛される理由

弁護士の数が制限され、敷居が高いままであること。――実はこれこそが、私たち「行政書士」が現代社会で必要とされている最大の理由です。
もし日本にアメリカ並みに弁護士が溢れていたら、ちょっとしたお店の許認可や、遺言書の作成といった地味な実務まで、すべて『弁護士先生の領域』として根こそぎ持っていかれていたかもしれません。 しかし現実には、弁護士の先生方は訴訟などの大仕事でお忙しく、費用もそれなりにかかります。そこで出番となるのが、私たち行政書士です。
私たちは、トラブルが起きてから裁判所で骨肉の争いをするサムライではありません。トラブルが起きる前に役所の複雑な審査(許認可)をスマートに通し、完璧な書類を作ることで「紛争を未然に防ぐ(予防法務)、コスパの良いサムライ」なのです。

AIには真似できない『息遣いのある用心棒』

今後、AIの進化によって「ただ役所の枠を埋めるだけの作業」は消え去るでしょう。しかし、国際化が進むビジネスのビザ申請や、複雑怪奇な最新ビジネスの許認可など、書面だけでは伝わらない、人間らしい息遣いのある真摯なやり取りや、信頼を築くためのかけひきが必要な領域では、私たちのスマートな機動力こそが真価を発揮します。
「弁護士に頼むほどの大ごとではないけれど、誰かに優しく導いてほしい……」
そんな時は、医療界の「医師」や、髪型を委ねる「美容師」さんのように、あなたの生活やビジネスに静かに寄り添うサムライがここにいることを、ふと思い出していただければ幸いです。

皆さまからのご相談を、敷居もお値段もお求めやすく、ジャストサイズに整えてお待ちしております。さあ、今すぐ……!

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