前回の「洒水の滝」の記事、読んでいただきありがとうございました。
実は、あの滝の前で出会った老婦人とのやり取りのなかに、どうしても書き添えておきたい「ひとりごと」があります。
「川も、滝も……。不思議と、見飽きないですね」
私が……そう、独り言のように吐き出したとき、彼女が静かに、深く頷いたあの表情。それが今もふとした瞬間に蘇るのです。
滝を眺めていると、なんだか人生そのものを見ているような気分になります。
穏やかに流れていたはずの川が、ある日突然、断崖絶壁に突き落とされる。
逃げ場もなく岩に打ちつけられ、砕け散る。そんな、容赦のない「落差」の瞬間。
けれど不思議なことに、人はその激しさを「見事な滝だ」と称え、美しいと眺めます。
海に近いゆったりとした川もあれば、滝のように険しい場所もあり、時には水さえ枯れてしまう時もあるでしょう。
轟々と響く音を背に、私は自分の人生の「今」はどこだろうかと、しばし考え込んでしまいました。
あの時の彼女の頷きは、そんな人生の起伏をすべて知った上での、優しい共鳴だったのかもしれません。
皆さんの人生の川は、今、どんな流れの中にありますか?
